初めに1950年1月からの超長期のチャートを見てみましょう。

1950年1月からのアメリカドルと日本円の為替チャート
チャート情報:wiki

超長期をチャートで見ると、ずっと右肩下がりで、多少の反発はあるものの円高傾向であることがわかります。

ドル円の為替レートは、第2次大戦以降1ドル360円の固定相場制が続いていました。1971年12月のスミソニアン協定で1ドル308円となり、1973年2月に変動相場制への移行し1ドル260円台まで下落した後、1973年秋のオイルショックで反発して、1ドル300円近辺まで円安が進みました。

このオイルショックの時は、第四次中東戦争勃発による石油価格の上昇により、日本の物価は急上昇(消費者物価指数で1974年は23%上昇)しました。また、公定歩合の引き上げも行われたため、景気は冷え込み1974年-1.2%マイナス成長となっています。トイレットペーパーや洗剤の買占め騒動をご記憶の方もおられかと思います。

やはり、物価は為替に大きく影響を与えるのでしょうか?その時は、物価上昇による円の価値の低下が、円安に影響した側面もあると考えられます。物価については現在の状況も後ほど調べてみたいと思います。

そして1985年9月のプラザ合意のドル安誘導政策で、一気に20円ほど円が急騰し1986年末には1ドル160円付近になり、1987年2月のルーブル合意でドル安に歯止めかける方向で合意したものの歯止めがきかず、1ドル120円台にまで上昇しました。

今とほぼ同じレートですね。つまりこの1985年あたりから30年以上経過していますが、1ドル75円から125円あたりまでのレンジとなっていますので、ドル円の為替レートを判断する参考になりそうです。ただ、何かあったときには大きく為替レートが変動する可能性があることは念頭に置いておくべきです。


2002年以降のチャートを見てみます。

2016年9月現在の103.50円は、チャートで見る限りはさほど円高ではなく、円高への道半ばのようにも見えます。

2002年1月からのアメリカドルと日本円の為替チャート

あれほど騒がれた100年に一度の金融危機も長期チャートでは歴史の一面(2007年夏頃〜2009年くらいまでの下落局面)で、特別というわけではないようにも見えます。実際円高になり始めているのは2006年からですので、金融危機はその流れの中で発生したように思えます。

しかし、その金融危機の印象は強烈に残っています。2007年夏頃からサブプライムローンが問題化し米国住宅バブル崩壊。2008年3月には米大手証券ベアースターンズが破綻。2008年9月15日リーマン・ブラザーズ破綻のリーマン・ショック。なにろリーマンは負債総額6,130億ドル(約64兆円)の破綻です。

その後も更に欧米の金融機関が破綻しそうな勢いで、いったい何処まで連鎖が続くのかと不安で仕方ありませんでした。ただ、バンク・オブ・アメリカがメルリンチを救済合併したり、米国政府がAGIを実質国有化したり、モルガンスタンレーが三菱UFJグループの傘下なったり等。そして各国揃って政策金利をどんどん下げていき、何とか金融機関の信用不安がぎりぎりのところで止まった。という印象が残っています。

個人的には、まだあの金融危機は終わっていないのではないかとさえ思っています。何しろ経済が回復したとはいえ政策金利が低いままですので、何か不安が取れない感じです。すごく疑い深くなってしまっていますが、それほどあのときの印象は強烈でした。ダウ平均が1万ドルを割れたりとか、日経平均もバブル崩壊後の最安値を更新し7,162.30円等もありましたね。

全く、繰り返して欲しくない出来事です。ですが歴史は繰り返しますので、対策は考えておくべきです。次は為替に大きく影響しそうな物価について調べてみたいともいます。


ビックマック指数、日本は31位、アメリカは5位

日本とアメリカの物価を調べてみて、現在のドル103円くらいが円高なのかどうかを検証してみたいと思います。

今回は、物価を検証する指数として、よく知られているビックマック指数を紹介します。 ビッグマック指数は各国の経済力を測るための数値で、イギリスの経済誌The Economistが1986年から毎年発表しているものです。

ビッグマックイメージ写真

このビックマック指数だけを見て、その国の物価を完全に評価できるかというと少し問題あるかもしれませんが、世界各国でビックマックは販売されているので物価水準を評価するのに好都合ということで取り上げます。

それによると日本のビックマック指数は31位、アメリカは5位です。

■日本:31位 370円 3.47ドル (2016年)
■アメリカ:5位 538円 5.04ドル (2016年)

このビックマック指数で見る限りは、円はまだ安く評価されているようです。不動産価格をみてもニューヨークは東京の1.5倍、賃料は2倍強ですから、あながちこのビックマック指数もあてにならないわけでもなさそうです。さらにロンドンに至っては東京の3倍位ありましたが、ポンドは最近かなり売り込まれてますので2倍くらいになってそうです。

かつては非常に高かった日本の物価も、日本がデフレの間に世界はインフレ傾向で物価が上昇していましたので、今や普通というより先進国では安いです。スイスにいたってはビックマックは700円です。

このあたりが、政府日銀が必死に物価上昇率2%に拘る理由なんでしょうね。インフレになれば国の借金も実質減りますから、ただ、国民にとっては物価高は迷惑ですね。給料はほとんど上がっていませんから・・・。
ちなみに過去のビックマックの価格です。

1985年(バブル):490円
1995年(バブル崩壊):200円
2002年(ITバブル崩壊):250円
2008年(リーマン・ショック):290円
2014年(消費税8%):310円
2016年(アベノミクス):370円


日米の物価上昇率の比較

日米の消費者物価上昇率のグラフを重ねると下記のようになります。直近では日本は2014年:2.749%、2015年:0.786%。アメリカは2014年:1.622%、2015年:0.119%と日本が上回っていますが、アベノミクスは失敗してきていますので、この先数年はまたデフレに戻ってしまう可能性が大きいと思われます。

日米、消費者物価上昇率の比較

情報:世界銀行 赤線が日本、青線がアメリカ

しかし、問題はその後どうなるかではないでしょうか。世界が景気後退に陥りそうな今後数年は円高傾向でも、その後、東京オリンピックが終わるころに、日本の人口減少がクローズアップされ始めたとき、果たして円高傾向が続くのかどうか?物価が上昇を始めたときは要注意です。これについては次の項目で検討してみます。


現状の100円は円高ではないが長期は別

まず、現状の103円くらいは円高ではないと評価し、ドル円で“買い(ロング)”からトレードを開始するのは少し早い気がします。ただ長期ではドル円買いと見ています。

また、アメリカが利上げサイクルに入っているのは、ドル円で“買い”にとっては追い風ですが、アメリカの景気は7年ほど拡大しているので、そろそろ後退局面に入る可能性があります。後退局面に入った場合はリスク回避で円高になります。歴史は繰り返しますのでそういった面から見てもドル円で“買い”の時期は少し早いのではないかと見ています。

しかし、長期的には日本には未知の部分があります。人口減少と日銀の異常な金融緩和です。マイナス金利にETF年間買い入れ6兆円!

■ブルームバーグ 2016年8月15日
8月初旬時点で日経平均株価を構成する225銘柄のうち、75%で日銀が大株主上位10位以内

■日本経済新聞 2016年8月29日
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっていることが分かった。

本当に資本主義国家なのかと疑問がわくような数字が並んでますが、日本はかつてより護送船団方式とかいわれてましたから、いまさら驚くようなことではないかもしれません。 ※護送船団方式とは、《護送船団は最も速度の遅い船舶に合わせて航行するところから》特定の産業において最も体力のない企業が落伍しないよう、監督官庁がその産業全体を管理・指導しながら収益・競争力を確保すること。特に、第二次大戦後、金融秩序の安定を図るために行われた金融行政を指していう。(デジタル大辞泉)

この先どうなるのか確かなことはわかりませんが、人口減少で経済が拡大しない国の通貨が、リスク回避で買われ続けることには疑問を持っておいた方がよさそうです。長期的にはハイパーインフレが起きてかつてないほど円安が進む可能性もあるかもしれません。政府日銀も借金を目減りさせるために必死なようですから・・・。

もし、外貨投資を始めるならば、銀行の外貨預金は手数料が高いので、FXを外貨預金のように利用されることをおすすめします。レバレッジ1倍以下なら外貨預金と同じでギャンブル的要素はありません。

外貨預金手数料:ドル円預け入れ・引き出し:2円=200銭(三菱東京UFJ銀行)
FX:手数料ドル円往復:0.006円=0.6銭 (DMM FX)

FX口座をお持ちでない方はこちらの記事を参考にしてみてください。


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